【2026年版】遠賀・京築の事業主・創業予定者向け|地域雇用開発助成金とは?対象要件や支給額をわかりやすく解説
※本記事は2026年9月時点の制度内容をもとに作成しています。制度内容や対象地域は変更される場合があります。
地域雇用開発助成金とは?
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、雇用機会が不足している地域などで、事業所の設置・整備を行い、あわせて地域の求職者を雇い入れた事業主を支援する助成金です。
たとえば、対象地域で新たに事業所を設けたり、事業拡大のために設備を導入したりしたうえで、一定の要件を満たす労働者を雇い入れた場合に、設置・整備費用や対象労働者の増加人数に応じて助成を受けられる可能性があります。
北九州市の近隣では、遠賀地域や京築地域の一部が対象地域となっており、これから創業する方や事業拡大を考えている事業主にとって、活用を検討できる制度の一つです。
遠賀・京築ではどの地域が対象?
地域雇用開発助成金は、全国どこでも利用できる制度ではなく、対象となる地域が定められています。
福岡県内にも複数の対象地域がありますが、この記事では、ゆうゆう社会保険労務士事務所の近隣地域である「中間・遠賀地域」と「京築地域」を取り上げます。
中間・遠賀地域
中間市
芦屋町
水巻町
岡垣町
遠賀町
京築地域
行橋市
豊前市
苅田町
みやこ町
吉富町
上毛町
築上町
これらの地域で創業や事業所の設置・整備、従業員の採用を予定している場合には、地域雇用開発助成金を活用できる可能性があります。
なお、対象地域や指定期間は変更されることがあるため、実際に利用を検討する際には最新の対象地域を確認する必要があります。
どんな場合に利用できる?
地域雇用開発助成金を利用するためには、対象地域で事業を行っているだけでは足りません。
事前に計画書を提出したうえで、一定の要件を満たす事業所の設置・整備と、対象となる労働者の雇入れを行う必要があります。
主なポイントは、次のとおりです。
対象地域内で事業所の設置・整備を行うこと
計画書を事前に提出すること
一定額以上の設置・整備費用を支出すること
対象となる労働者を一定人数以上雇い入れること
事業所全体の雇用保険被保険者数が一定数以上増加すること
たとえば、遠賀・京築地域で新たに事業所や店舗を開設する場合や、既存事業を拡大するために設備を導入し、それにあわせて従業員を採用する場合などが、制度の活用を検討できるケースとして考えられます。
ただし、設備投資や採用を行えば必ず受給できるわけではなく、設置・整備の内容や雇入れ方法、対象労働者の要件など細かな条件があります。
どのような設置・整備が対象になる?
地域雇用開発助成金では、対象地域内で行う事業所の設置・整備について、一定額以上の費用を支出することが要件の一つとなっています。
対象となる設置・整備には、たとえば次のようなものがあります。
事業所や店舗の新設・増設
建物の改修
機械や設備の導入
業務に使用する備品や設備の購入
事業用車両の購入 など
ただし、購入したものがすべて助成対象になるわけではありません。
設置・整備費用として認められるためには、対象となる経費の種類や金額など、制度上の要件を満たす必要があります。
また、設置・整備費用は、1点あたり20万円以上のものを対象として、合計300万円以上であることが原則です。
そのため、創業や事業拡大にあわせて、ある程度まとまった設備投資を予定している場合に活用を検討しやすい制度といえます。
何人雇う必要がある?
地域雇用開発助成金を利用するためには、計画期間内に、一定の要件を満たす労働者を雇い入れる必要があります。
原則として、対象労働者を3人以上雇い入れることが必要です。
ただし、一定の要件を満たす創業の場合は2人以上となります。
対象となるのは、地域に居住する求職者等を、ハローワーク等の紹介により、常時雇用する雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れた場合です。
また、対象労働者を必要人数雇い入れるだけではなく、計画日の前日と完了日を比較して、事業所全体の雇用保険被保険者数も3人以上(創業の場合は2人以上)増加していることが必要です。
そのため、単に「3人採用すれば利用できる」という制度ではなく、雇入れ方法や労働者の要件、事業所全体の人数の増加についても確認しておく必要があります。
いくら受給できる?
地域雇用開発助成金の支給額は、事業所の設置・整備にかかった費用と、対象労働者の増加人数によって決まります。
ここでいう「対象労働者の増加人数」は、単純に雇い入れた人数ではありません。
完了日時点の被保険者数から、計画日の前日時点の被保険者数を差し引いた増加数が上限となります。
たとえば、計画期間中に対象要件を満たす人を5人雇い入れても、そのほかの被保険者が2人退職していれば、被保険者の増加数は3人です。
この場合、支給額の判定上は「3人」の区分で扱われます。
令和8年4月1日以降に計画書を提出した場合の支給額は、次のとおりです。
設置・整備費用 | 3(2)~4人 | 5~9人 | 10~19人 | 20人以上 |
|---|---|---|---|---|
300万円以上 | 50万円 | 80万円 | 150万円 | 300万円 |
1,000万円以上 | 60万円 | 100万円 | 200万円 | 400万円 |
3,000万円以上 | 90万円 | 150万円 | 300万円 | 600万円 |
5,000万円以上 | 120万円 | 200万円 | 400万円 | 800万円 |
※「2人」は一定の要件を満たす創業の場合に限ります。
※上記の金額は原則の1回あたりの支給額です。
また、中小企業事業主の場合は、第1回の支給額が上表の1.5倍になります。
さらに、中小企業事業主で制度上の「創業」と認められる場合は、第1回の支給額が上表の2倍となります。
たとえば、設置・整備費用が500万円で、対象労働者の増加人数が3人の場合、通常の支給額は1回50万円です。
中小企業事業主であれば第1回は75万円、一定の創業に該当する中小企業事業主であれば第1回は100万円となります。
この助成金は、1年ごとに最大3回支給されます。
ただし、2回目・3回目については、第1回の支給後に自動的にもらえるわけではありません。
対象労働者の定着状況や被保険者数などについて、継続支給の要件を満たしている必要があります。
また、支給額の基礎となる増加人数は、計画日から完了日までの間に確定するため、その後に従業員数が増えても、2回目・3回目でより上位の人数区分に変更されるわけではありません。
申請前に注意したいポイント
地域雇用開発助成金は、設備投資や採用を行ったあとに申請すればよい制度ではありません。
利用を検討する場合は、事業所の設置・整備や対象労働者の雇入れを行う前に、あらかじめ計画書を提出する必要があります。
計画書を提出した日が「計画日」となり、そこから完了日までの最長18か月間が計画期間となります。
この計画期間内に、対象となる施設・設備の設置・整備と、対象労働者の雇入れを行う必要があります。
そのため、たとえば次のような場合は、実際に設備投資や採用を進める前に制度の対象になる可能性がないか確認しておくことが重要です。
新たに店舗や事業所を開設する
大きな設備投資を予定している
事業拡大にあわせて従業員を採用する
創業にあわせて設備の準備と採用を進める
また、第1回の支給を受けたあとも、自動的に第2回・第3回が支給されるわけではありません。
2回目・3回目の支給を受けるためには、対象労働者の定着状況や被保険者数などについて、継続支給の要件を満たす必要があります。
対象労働者が離職した場合でも、一定の要件を満たす人を補充することで継続支給の対象となる場合がありますが、対象労働者や補充者の離職状況もその後の支給判定に影響します。
そのため、地域雇用開発助成金は、最初の申請だけでなく、計画段階からその後の雇用維持まで見据えて活用することが重要な制度といえます。
申請から支給までの流れ
地域雇用開発助成金は、計画書を提出してすぐに支給される制度ではありません。
事業所の設置・整備や対象労働者の雇入れを行い、その後に支給申請を行う流れになります。
大まかな流れは次のとおりです。
計画書の提出
↓
計画期間中に事業所の設置・整備、対象労働者の雇入れ
↓
計画完了
↓
第1回支給申請
↓
支給決定
↓
完了日の約1年後に第2回支給申請
↓
完了日の約2年後に第3回支給申請
計画期間は、計画日から完了日まで最長18か月です。
この期間内に、助成対象となる設置・整備と対象労働者の雇入れを完了させる必要があります。
また、第2回・第3回の支給を受けるためには、第1回の支給決定後も、対象労働者の定着状況や被保険者数などについて一定の要件を満たしている必要があります。
そのため、地域雇用開発助成金は、計画書を提出して終わりではなく、最長で数年間にわたって雇用状況を管理していく制度と考えておくと分かりやすいです。
こんな方は活用を検討してみてください
地域雇用開発助成金は、すべての事業主に向いている制度ではありません。
一方で、遠賀・京築地域で創業や事業拡大を予定している場合には、活用できる可能性があります。
たとえば、次のような方は一度制度の対象になるか確認してみてもよいでしょう。
遠賀・京築地域で新たに事業を始める予定がある
新しい店舗・事業所・工場などの開設を予定している
事業拡大に伴い、まとまった設備投資を行う予定がある
設備投資とあわせて複数人の従業員を採用する予定がある
創業時に設備の準備と従業員の採用を同時に進める予定がある
特に、「設備投資も採用もこれから」という段階で検討することが重要です。
すでに設備の購入や工事、採用を進めてしまった場合には、計画期間の対象とならない可能性があります。
そのため、遠賀・京築地域で創業や事業拡大を考えている場合には、具体的な設備投資や採用を始める前に、地域雇用開発助成金を利用できる可能性がないか確認しておくことをおすすめします。
まとめ
地域雇用開発助成金は、対象地域で事業所の設置・整備を行い、あわせて一定の要件を満たす労働者を雇い入れた場合に、設置・整備費用や対象労働者の増加人数に応じて支給される助成金です。
遠賀・京築地域で創業や事業拡大を予定している場合には、活用できる可能性があります。
一方で、申請にあたっては、
事前に計画書を提出すること
一定額以上の設置・整備を行うこと
対象労働者を一定人数以上雇い入れること
被保険者数が一定数以上増加すること
第2回・第3回の支給に向けて雇用を維持すること
など、複数の要件を満たす必要があります。
特に重要なのは、設備投資や採用を進める前に、制度の対象になるか確認しておくことです。
ゆうゆう社会保険労務士事務所では、遠賀・京築地域の事業主様や創業予定の方から、地域雇用開発助成金の活用に関するご相談を承っています。
創業や事業拡大に伴い、設備投資や従業員の採用を予定している場合は、お気軽にご相談ください。
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